「絶対評価」と「相対評価」はどっちがいい?あなたの会社に最適な評価制度の選び方

人事評価制度を考えるとき、多くの会社が最初にぶつかるのが「絶対評価」と「相対評価」のどちらを採用するかという問題です。どちらにも良さと注意点があり、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。この記事では、それぞれの特徴を整理しながら、自社に合う評価制度の選び方を考えていきます。

1. 絶対評価とは

絶対評価は、あらかじめ決めた基準や目標をもとに、社員一人ひとりの成果を評価する方法です。「目標をどれだけ達成できたか」を基準に測るため、達成度が明確になりやすいのが特徴です。

基準が事前に決まっているので、評価者の主観に左右されにくく、公平な評価につながりやすいと考えられます。また、目指すべき目標がはっきりしているため、社員が努力の方向を定めやすいという利点もあります。

一方で、注意しておきたい点もあります。すべての業務やポジションに完全に合う評価基準を用意するのは簡単ではありません。特に創造性や柔軟な対応力が求められる仕事では、決められた基準だけでは実力を正確に測りにくい場合があります。

そのため、絶対評価を導入する際は、基準を一度決めて終わりにせず、定期的に見直していく運用が大切になります。

2. 相対評価とは

相対評価は、同じ職務やチームの中で、社員同士の成果を比較して評価する方法です。誰が集団の中で高い成果を出しているかが分かりやすく、社員同士の競争意識を刺激しやすい傾向があります。

市場や事業環境の変化が激しい状況でも、周囲との比較の中で評価が自然と調整されるため、状況に応じた評価がしやすいというメリットもあります。

注意したいのは、競争が行き過ぎるとチームワークが損なわれる可能性がある点です。個人の成果ばかりを追い求める空気が生まれると、かえってチーム全体の生産性が下がることも考えられます。

また、評価の基準が「他の人と比べてどうか」で決まるため、周囲のメンバーの顔ぶれによって評価結果が変わりやすく、社員から見て評価基準が分かりにくいと感じられることもあります。

3. 絶対評価と相対評価の比較

ここまでの内容を、比較表で整理します。

観点 絶対評価 相対評価
評価基準 事前に設定した目標・基準 他の社員との比較
公平性 基準が明確で客観的になりやすい メンバー構成によって結果が変わりやすい
向いている組織 個々の目標達成度を重視したい組織 競争を通じて全体のパフォーマンスを底上げしたい組織
メリット 達成度が分かりやすく、努力の方向が定めやすい 競争意識が生まれやすく、環境変化にも対応しやすい
注意点 基準設定が難しく、柔軟性に欠けることがある 過度な競争でチームワークが損なわれることがある

4. 評価制度の選び方と運用のポイント

自社に合う評価制度を選ぶには、まず自社の組織体制や業種、社風を理解することが出発点になります。何を重視し、どんな目標を達成したいのかによって、向いている評価方法は変わってきます。

短期的な業務達成度を重視するなら、絶対評価が合っていることが多いでしょう。一方、チーム全体のパフォーマンスを底上げしたい場合は、相対評価が力を発揮する傾向があります。

どちらを選ぶ場合も、次の3点は運用の中で意識しておくとよいと考えられます。

  • 基準や仕組みを定期的に見直す:環境の変化に合わせて更新し、評価が形骸化しないようにする
  • フィードバックをセットにする:評価結果だけでなく、良かった点・改善点を伝えることで次の行動につなげる
  • 評価を目的化しない:評価はあくまで社員の成長とモチベーションを支えるための手段と位置づける

絶対評価・相対評価のどちらか一方に決め切る必要はなく、両方の考え方を組み合わせて運用している会社も少なくありません。自社の状況に合わせて、無理のない形で取り入れていくことが大切です。